JICA

2014/06/06

【JICA・SONY共同プレスリリース】JICA×SONY連携によるパブリックビューイングプロジェクトinコートジボワール

キーワード:企業のアフリカ支援CSR活動, コートジボワール共和国, JICA

 

JICAとソニー、コートジボワールの各地でFIFAワールドカップ ブラジル大会期間中にパブリックビューイングを実施

-サッカーの夢と感動を伝え、地域の人々の心をつなぐ-

2014年5月28日

独立行政法人国際協力機構(JICA)
ソニー株式会社

独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)とソニー株式会社(以下、ソニー)は、2014年 FIFA ワールドカップ開催期間中、アフリカ地域代表国のコートジボワールでパブリックビューイング(注1)を実施します。今回パブリックビューイングを行うコートジボワールは、サッカーの強豪国であり、今年のFIFA ワールドカップでは現地時間の6月14日(日本時間6月15日〈日〉午前10時)にキックオフする日本の初戦の相手国となっています。

JICAは、国の再建と復興にむけた道のりを歩むコートジボワールにとって、サッカーが再び国民に力と希望を与えると考えています。コートジボワールは1990年代以降、社会的・経済的・軍事的混乱にさいなまれてきましたが、そのような中でも国民に平和と再統合への希望を与え続けてきたのがサッカーでした。2005年12月、コートジボワールが翌年のワールドカップ出場を決めた瞬間、母国が内戦のさなかにあった同国代表選手はピッチに座り、国民に平和を呼びかけました。また2011年、実に約20年に渡る混乱と内戦を終えたコートジボワール政府が創設した「対話・真実・和解委員会」のメンバーとなったのは同国サッカー界のスター、ドログバ選手でした。同国政府が国家再建のための最重要課題として取り組むのが、かつて対立していた人々が共に生きる社会づくり。JICAはこの「社会的統合」をサポートし、コミュニティレベルでの信頼関係の再構築、分断された南北の再統合に向けた支援を行っています(注2)(注3)。

一方、ソニーは、国際機関やNGOなどと連携して、貧困、紛争など社会開発課題を抱える世界各地の子どもたちやコミュニティを支援する活動を行っています。そして、今後の重要な新興国市場の一角であるアフリカにおいて、サッカーを楽しむ体験をきっかけにコミュニティに根差した形でソニーのプレゼンスをあげていくことを重要なマーケティング上の施策の一つとしても捉えています。

一連のパブリックビューイングでは、無電化のために日頃テレビを見る機会の少ない地方も含め各地域で、子供や若者たちを中心に人々を生活に近い場所に集め、ソニーが提供する映像・音響機材を使用してサッカーの試合をハイビジョン映像で200インチの屋外スクリーン上に無料放映する予定です。試合映像は、ソニーのパートナーであるFIFA(国際サッカー連盟)(注4)の了解のもと、今回の2014年 FIFA ワールドカップでのコートジボワール戦(生中継映像や録画映像)や、過去のコートジボワール・チームの代表的な試合などを上映する予定です。上映に際しソニーは、ソニーが有するオリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池、蓄電モジュール・システムの制御技術を活用し、無電化地域でも供給可能な電源設備を整えたうえで、ソニーの音響・映像機材によるパブリックビューイングのシステム(注5)の構築と現地での技術協力を行います。

JICAはパブリックビューイングにあわせ、JICA技術協力プロジェクト(注2)(注3)の一環として、次世代を担う若者や子どもたちが主役となり、社会的統合をテーマとした演劇やクイズ大会を会場で実施します。また社会的グループを越えて編成されるチームによるフレンドリーマッチも併せて開催し、コミュニティにおける絆の再形成に貢献します。

ソニーは、人々の好奇心を刺激し、感動を生み出すグローバル企業として、本パブリックビューイングを通じてアフリカのコミュニティにおけるソニーのブランド認知や商品への関心を草の根で進めながら、自国サッカー選手の世界での活躍を通して、コートジボワールの人々に夢や感動を伝えていきます。一方JICAは、ソニーの持つ優れた技術とサッカーの持つ感動の力を借りながら、内戦や分断の歴史を越えたコミュニティ再建、社会的統合の促進を支援していきます。

ワールドカップ開催期間中、このパブリックビューイングは最大都市のアビジャンや首都のヤムスクロを含む都市のコミュニティーで、10回にわたり実施の予定で、およそ8,000人の集客を見込んでいます。JICAとソニーは互いのノウハウを生かし、地域の人々が民族の違いをこえてサッカーの感動を分かち合い、コミュニティーとしてつながる貴重な機会を実現します。

参考1:ソニーの製品を活用したパブリックビューイング・システム(注5)

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参考2:パブリックビューイング実施予定地、アビジャン特別区(アボボ市・ヨプゴン市)の様子

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維持管理がなされず冠水したままの道路(左)、内戦の傷跡が残る小学校(右)
JICAはコミュニティ自らの力で社会を再生する支援を行っている

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サッカーを楽しむ母親たち(左)、元気に暮らす子供たち(右)

 

(注1)JICAはソニーと、2010年にもパブリックビューイングの取り組みを実施しています。
 
(注2)JICAの大アビジャン圏社会的統合促進のためのコミュニティ緊急支援プロジェクト。
 
(注3)JICAの中部・北部紛争影響地域の公共サービス改善のための人材育成プロジェクト。

(注4)ソニーは、2007年から2014年まで「オフィシャルFIFAパートナー」として、FIFAと契約しています。

(注5)パブリックビューイングのシステムには、ソニーのビデオプロジェクター VPL-FHZ55、映像制作機器であるライブコンテンツプロデューサー AWS-750、ハイパワーオーディオシステム SHAKE、パーソナルコンピューター VAIO® Pro 13、デジタルワイヤレスパッケージ DWZ-M70、カラービデオカメラ SRG-300HWなどが使用されています。

※2014年6月5日改訂

 

【本件に関するお問合せ先】
独立行政法人国際協力機構  広報室報道課  TEL:03-5226-9780
ソニー株式会社  広報・CSR部  TEL:03-6748-2200

 

JICAでは、本パブリックビューイングを受け、以下のイベントを日本国内で企画しております。詳細は以下のウェブサイトでご確認ください。

(1)アフリカ×日本 子ども交流イベント「W杯だ!応援グッズをつくろう!-コートジボワール戦の巻-」
 
(2)2014FIFAワールドカップ ブラジル パブリックビューイング「コートジボワール × 日本」 あえて日本とアフリカをひとつに! パブリック・ビューイング in 横浜!
 
(3)子どもも大人も、候補者も、みんなで応援!2014FIFAワールドカップブラジル パブリックビューイング「コートジボワール×日本」