JOGMEC
2014/11/04
南アフリカ共和国での探鉱プロジェクトで新たな白金族の存在を確認
キーワード:資源・エネルギー開発とビジネス, アフリカ開発銀行, JOGMEC, 南アフリカ共和国
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野 博文)は、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部で、カナダのプラチナム・グループ・メタルズ社と共同で実施しているウォーターバーグ白金族プロジェクトにおいて、80m間(370m~450m)平均品位4.80g/t(プラチナ、パラジウム及び金の合計)の新たな白金族の存在を確認しました。
対象地域は、南アフリカ共和国の白金族鉱山地帯であるブッシュフェルド地域の北端に位置しています。この地域には、それまで白金族鉱床が存在するブッシュフェルド岩体は潜在していないと考えられていたため、積極的な調査が行われていませんでしたが、JOGMECはこの地域の有望性を見出し、2009年度にこの探鉱プロジェクトに参入しました。2011年11月にJOGMECはこの地域でブッシュフェルド岩体の存在を初めて確認するとともに、同岩体中に白金族鉱床を発見しました。その後のボーリング調査(試錐)により、2012年9月に初めて予測鉱物資源量として合計約205tの金属量を報告し、2013年4月に315t、2013年9月に545t、2014年6月に693tと更新・拡大してまいりました。(※過去に実施のニュースリリース参照)
資源量更新のために試錐を実施しているところ、新たに、80m間(370m~450m)平均品位4.80g/t(プラチナ、パラジウム及び金の合計)と、比較的浅所でこれまでで最も厚い白金族の鉱化帯に着鉱しました。この着鉱部分は既知鉱化帯の浅部延長部に相当しており、更にその延長を確認する試錐を計画しています。加えて、既知の鉱化帯中でのインフィル試錐においても、46.79m間(771m~819.79m)平均品位3.76g/t(プラチナ、パラジウム及び金の合計)等の鉱化を確認しました。試錐完了後に、改めて資源量を更新することを計画しており、現在実施中のプレ・フィージビリティ・スタディで評価を行います。
本プロジェクトは、2014年2月に南アフリカのエンジニアリング会社により予備的経済評価(PEA:Preliminary Economic Assessment)がまとめられ、採掘法、選鉱法、社会・環境対策、経済性などの初期的評価が明らかになりました。現在はプレ・フィージビリティ・スタディを作成中で2015年第2四半期の完成を見込んでいます。JOGMECは今後とも我が国企業が直接関与する金属鉱山開発の促進に貢献してまいります。
■ プロジェクトの概要
ウォーターバーグ(Waterberg)地域
位置 | 首都プレトリアの北北東約270km |
鉱区面積 | 153km2 |
概要 | 白金族金属を胚胎するブッシュフェルド岩体の北端に位置するが、地表は表土で覆われ、ブッシュフェルド岩体の露出がないことから、これまで積極的な調査が行われていなかった地域。 |
周辺の 開発状況 |
・モガラクエナ鉱山(Mogalakwena):ウォーターバーグ地域の南70kmに位置する。アングロ・アメリカン・プラチナム社(Anglo American Platinum Limited、本社南アフリカ)が露天鉱採掘で生産を行っており、金属量(埋蔵量及び資源量ベース)の合計は265.9百万オンス(約8,270t、プラチナ、パラジウム、ロジウム、金の合計)。 |
契約内容
契約締結日 | 2009年10月9日 |
条件 | 4年間で320万米ドルの調査費用を拠出することにより、37%の権益を獲得することができる。調査結果が良好な場合には優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されている。共同探鉱の契約上、新たに鉱床が発見された場合、優先的に日本企業に引継ぐ条件が設定されており、日本企業の新たな権益確保につながるものと期待される。 |
■ プラチナム・グループ・メタルズ社(Platinum Group Metals Ltd.)
本社 | カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
設立 | 2000年 |
概要 | 白金族金属の鉱山開発を目的とし、カナダ及び南アフリカで探鉱を実施している中堅探鉱会社。南アフリカのヨハネスブルグに現地会社を有し、ブッシュフェルド地域西部WBJVプロジェクトは2015年央の生産に向け鉱山を建設中。本ウォーターバーグ地域プロジェクトのオペレータを務める。 |