アフリカビジネス支援に関する施策・制度・スキーム
途上国とのビジネスが活発化することは、途上国の民間主導の経済発展にも大きく貢献するとともに、途上国の成長を日本経済の成長に取りこみ、またイノベーションや中堅・中小企業の活性化に貢献するとの関係から、日本政府においても途上国とのビジネス支援に関する様々な施策、制度、スキームが設けられ、内容も充実しつつあり、ジェトロやJICA、JBIC、中小企業基盤整備機構などの公的機関がその推進にあたっています。それらスキーム等の実際の適用例としてはアジアの途上国に関わるものが大半ですが、アフリカとのビジネス活動に適用される例も増えつつあります。
本欄では、政府・公的部門の関係者からこのようなスキーム等の積極的紹介を受けるとともに、それらスキーム等が支援するアフリカ関係ビジネス活動の情報を掲載します。
概観
アフリカのビジネス支援に関するスキームや制度には大きくいって1)企業の海外進出支援、2)外務省の日本企業サポート、3)開発援助に関わる官民連携スキームがあります。また日本と諸外国との海外取引をより一層円滑化し、日本企業の海外事業を支援するために、JBICは融資・出資などの金融サービスを、JOGMECは資源開発に関する日本企業への出資・融資を、NEXIは貿易保険を提供しています。
日本企業の海外進出支援
経済産業省においては2010年10月に、経済産業大臣を議長として、政府、政府関係団体、中小企業団体、金融機関といった支援機関の参加により、「中小企業海外展開支援会議」を設置し、中小企業の海外展開を総合的に支援しています。2011年には「経済産業省の海外展開支援行動計画 」を策定しています。アフリカビジネス支援に関しては、通商政策局・中東アフリカ課が窓口になっています。
中小企業の海外展開をサポートする施策・制度・スキームについては中小企業庁の「経営サポート 海外展開支援」のサイト に情報が集約されています。また同サイトに掲載されている「中小企業海外展開支援施策集 」には、1)海外情報の収集、2)海外展開についての助言、3)事業化に向けての調査、計画、4)グローバルおよび現地子会社の人材の育成・確保、5)海外への販路開拓、6)製品開発・試験販売、7)資金調達、8)リスクへの対応、9)知的財産権・法律問題に関する対応、10)海外進出時・進出後のサポートなどについて、支援を提供している公的機関と支援内容を整理して掲載されています。
中小企業の海外支援をサポートする政府機関ごとの情報は以下の通りです。
これらの支援は海外各地域に及んでいますが、アフリカには適応例がないものも含まれており、また対象は必ずしも中小企業には限定されていないものもあります。
在外公館の日本企業サポート
アフリカについては、すべての在外公館に「日本企業支援窓口 」が設けられており、現地に駐在する日本企業支援担当官が個別企業からの相談・支援依頼などに積極的に対応しています。また外務省国際協力局内には、ODA中小企業等支援タスクフォースが設けられています。
開発援助における官民連携
アフリカは開発援助の重点地域ですが、開発プロジェクトは民間企業が積極的に参加することを前提に実施されており、民間企業へのビジネス機会を提供しています。
とくにODAの実施においても中小企業を含む我が国企業の優れた技術等を活用することを奨励し、さらに開発途上国の貧困削減に貢献するBOPビジネスにおいて日本の企業が積極的に進出し、活躍することを奨励するための各種スキームが設けられています。
ODAの実施に関連して日本企業のビジネス支援にも資するスキームとしては以下のようなものがあります。
JICA民間連携事業メニュー一覧 (平成25年度)
※詳細はJICAの連携ページ(JICAの民間連携スキーム)をご覧ください。
開発プロジェクトの実施がもたらすビジネス機会については「アフリカ開発支援とビジネス機会」の欄をご参照ください。
ファイナンス支援(JBIC, JOGMEC, NEXI)
JBICは日本企業の海外事業や国際取引を支援するため、融資や出資などの金融サービスを提供しています。また中堅・中小企業に対しても、海外事情・投資環境情報の提供や長期資金の調達方法などについての相談を行っています。
JOGMECは、資源・エネルギーの探鉱・開発に従事する日本企業への融資や共同出資を行っています。
NEXIの貿易保険は、企業が行う輸出入、海外投資あるいは融資といった対外取引において契約当事者にとって不可抗力なリスク・損失及び海外の契約相手方の責任に帰せられるリスク・損失に対して、契約当事者である本邦企業が被る損失をてん補(カバー)致します。