JICA
2014/07/11
JICAニュース:日本の「食育」をモデルにガーナで栄養改善
キーワード:BOP/ Inclusive ビジネス・新規起業, 民間主導、官民連携による保健・医療・滋養, ガーナ共和国, JICA
栄養不足による子どもの成長不良が深刻なガーナでは、年内に「国家栄養政策」が国会で承認される見込みだ。その政策の実施計画策定を目前に控えた同国から、保健省や農業省、NGOなど栄養改善にかかわる8機関の担当者8人を招いて、JICAは6月16~26日、「官民連携アプローチによるScale Up Nutrition(SUN)」研修を実施した。
(中略)
■日本企業がガーナの食育にも貢献■
日本の食育ではマルチセクターによる取り組みが進み、民間企業が中核的な役割を果たしている。地方自治体と連携して、健康増進や栄養啓発のイベントなどを実施することもある。国民全体の栄養知識を向上させることが、自社製品の消費拡大にもつながるからだ。
さらに近年、開発途上国の社会課題の解決を持続可能なビジネスを通して実現しようとするソーシャルビジネスの立ち上げに着手している大手食品企業がある。24日は、JICAの支援を受けてガーナで「離乳期栄養強化食品事業化準備調査(BOPビジネス連携促進)」を実施した味の素株式会社の川崎工場(神奈川県川崎市)を訪れた。
KOKO(ココ)と呼ばれるガーナの伝統的な離乳食は、発酵したトウモロコシから作られたおかゆで、たんぱく質や微量栄養素など乳幼児の成長に必要な栄養素が不足している。そこで味の素はガーナ大学などと共同で離乳食栄養補助サプリメント「KOKO plus(ココプラス)」を開発し、普及に取り組んでいる。
味の素株式会社研究開発企画部の取出恭彦専任部長は「ガーナ保健省などと協力し、農村コミュニティーでの栄養教育などを実施している」と説明した。研修員から、栄養教育活動での連携の可能性についての質問が出ると、取出部長は「栄養教育は、ガーナ政府との連携が必須であり、今後さらに連携を強化してガーナ全土の活動に発展させていきたい」と答えた。
ガーナ農業食品省女性農業開発局のポウリーナ・アディー副局長は「日本の食品会社は、国民全体の食育推進に積極的にかかわっている。企業が作成して無償で配布している栄養教材の質が大変高く、素晴らしい社会貢献だと思う」と企業の取り組みを称賛した。
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