野村総合研究所
2015/01/08
【NRIレポート紹介】「最後の巨大市場アフリカへのエントリー戦略」
野村総合研究所によるレポートをご紹介します。
2013年に横浜で「TICADV(第5回アフリカ開発会議)」の開催が予定されるなか、現在アフリカ市場への注目が高まっている。また、2010年に南アフリカで「FIFAワールドカップ」が開かれアフリカ市場のメディアへの露出が高まったこと、BoP(Base of the economic Pyramid)ビジネスという概念が日本市場に浸透したこともあり、実際にアフリカ市場への進出を検討し始める日本企業が急速に増えている。とはいえ、アフリカ大陸には54もの国が存在し、どこから進出すればよいのかの判断ができず、第一歩を踏み出せない日本企業も多い。
この課題を解決するには、①経済共同体を活用した複数国での事業展開、②中間層比率の上昇によりビジネス環境が整備されてきた国での地域拠点整備──の2つの視点を持つことが重要である。これにより、日本企業はどの国から進出し、事業をどう広げていくかのビジョンを描くことが可能となる。
実際にアフリカ市場にエントリーするには、①アフリカ市場の発展ビジョンの作成と市場の創造、②信頼のおける現地パートナーの発掘、③経済エコシステム(生態系)とバリューチェーン(価値連鎖)の独自構築による他社への参入障壁と自社成長基盤の創出──の3つが必要となる。これらのアクションを、自社単独ではなく日本政府や国際機関、NGO(非政府組織)などと連携しながら展開していくことによって、進出コストを抑えつつ、フロンティア市場開拓の特徴である先行者利益の獲得に向けた第一歩が踏み出せる。