アフリカ開発銀行

2015/06/24

African Economic Outlook 2015

キーワード:アフリカ経済・ビジネスに関連する調査・分析・論文・書籍, アフリカ開発銀行, UNDP

 

アフリカ開発銀行は、OECD 開発センターと国連開発計画(UNDP)と共同で、African Economic Outlook (AOE) 2015を発行しました。

Overviewはこちら からご覧下さい。

Chapter 1~8はこちら  からご覧下さい。

 

以下は内容のサマリーとなります。

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アフリカのGDP成長率は2015年には4.5%、2016年には5%になるとAfrican Economic Outlook(AEO)2015は予想している。これは、2013年の3.5%、2014年の3.9%よりも高くなる見込みを示している。2014年の実際の成長率は去年のAEO2014が予想したものよりも1%低かったが、これは継続する世界経済の低迷と、アフリカ諸国に起きたいくつかの深刻な社会問題に起因している。しかし世界経済は徐々に回復しており、もしもAEO2015の予想通りだとすればアフリカ経済の成長率も2008-2009年に起きた世界金融危機前の数値を早期に取り戻すと考えられる。エボラ出血熱の流行に見舞われた西アフリカでさえ、比較的高い6%の成長率を達成している。ナイジェリアの成長率6.3%は、主に天然資源以外の分野に牽引されており、ナイジェリア経済の多様化が伺える。他方、南部アフリカのGDP成長率は、南アフリカ共和国経済の成長率が1.5%と低迷したため、3%以下に留まった。

資源価格の低下にも関わらずアフリカの天然資源の輸出量は増加し、全体的な成長は資源以外のセクターが促進するようになっており、アフリカ経済は国際価格の激しい変動に対する耐性を徐々に付け始めている。しかし同時に、資源の国際価格が低いまま留まる、あるいは更に価格が下がるような場合には、資源富裕国のGDP成長率は、政府が緊縮財政を強いられるにつれ低下する可能性がある。アフリカ各国の政府は、重要な市場、特に中国とヨーロッパ市場を注意深く見守る必要がある。その一方、石油価格の低下は、インフレの緩和、実質所得の増加、輸出市場の強化など、プラスの影響もある。

AEO2015が注目するテーマは、アフリカの地域開発(regional development)である。アフリカにおいては現在、地域統合に関する考え方のパラダイムシフトを迎えており、空間的包括性(spatial inclusion)を通じての地域開発の必要性が注目されている。地域開発の戦略は、アフリカの構造改革に伴う様々な問題に対して有用なソリューションをもたらす事が期待されている。地域開発は、人々の福祉の改善と経済効率の上昇に貢献すると考えられ、また空間的包括性は各地域のコネクティビティを強化すると予想される。地域開発の促進には、複数セクターを巻き込み、地域ベースで参加型の戦略が立てられるような、政策立案プロセスの大幅な改造が必要である。具体的には、天然資源や観光資源となりえる文化財等を含むあらゆる手付かずの資源を動員する事、セクター別政策の明瞭化と地域構造に対する公共投資、更には多様なステークホルダーの参加を促進することで中央と地方間の情報の非対称性の解消を目指すことを含んでいる。

AEO2015は最後に、各地域の2016年までの経済予測を掲載している。