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2016/08/19
【書籍のご紹介】『アフリカ・ビジネスと法務』(角田進二、金城拓真共著)
キーワード:アフリカ経済・ビジネスに関連する調査・分析・論文・書籍, ケニア共和国, コートジボワール共和国
2016年8月、赤坂国際法律会計事務所 所長・弁護士の角田進二氏が金城拓真氏との共著『アフリカ・ビジネスと法務』を出版されました。是非皆様お手に取ってご覧ください。
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以下、本書より「はじめに」をご紹介いたします。
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はじめに
この本の目的は、日本におけるアフリカの存在をメジャーにして、アフリカの経済に貢献する他、日本の企業がアフリカに進出していくために気を付けなければならない注意点を記載することで思わぬ落とし穴に入り込まないようにすることにあります。
日本に於けるアフリカン・ビジネスの第一人者として知られる金城氏の考え方に角田が共鳴したことから、今回本書を共著として出版することになりました。
法律も大事ですが、ビジネスの可能性があるから進出をするのであって、法律よりもビジネス上の留意点の方が重要です。本書は、巷にあふれているアフリカに進出をした方が良い点を列挙する本とは一線を画しています。また、アフリカ法務という区切りで、ビジネスの生態系を考慮しない本とも異なります。
ビジネスが存在するから法律で記載する必要があるのであって、ビジネスを無視した法務は存在しません。第2章のアフリカビジネスについては、アフリカビジネス第一人者の金城氏に執筆を依頼しました。当職は他の章で、法律のみならず、新興国における国際法務の新しい視点及びアフリカの法律(最近脚光を浴びているケニアとコートジボワールの法律)について執筆しました。代表的なサブサハラの国の法律について説明することで、法律は日本人という余所者にとっては十分注意しておく必要があることを読者の皆様に認識してもらいたいと思います。
この本のコンセプトは、アフリカでビジネスをしようと思っている方が現地へ行く際に、最初に持って行ってもらう本にすることです。多くの場所でインターネットを通じて各国の法律を確認することもできると思いますが、本書を読むことでより理解が進むことを期待しています。
アフリカの専門家に依頼するから問題ないと思われている方にも読んでいただきたいです。それは、新興国においては地元の人間が優先され、余所から入ってきた一見のお客さんが適切な助言を得られる可能性が低いからです。徐々にアフリカの専門家におけるサービスの質が高まってくることを期待していますが、少なくとも日本人が期待するレベルのサポートを得ることは現時点では難しいです。専門家の助言をそのまま鵜呑みにするのではなく、場合によっては自分で確認したり、突っ込んだ質問を再度したり、依頼をする専門家を変える必要があったりします。その際に、質問の切り口や専門家の切り替えのタイミング等の参考になればよいと思います。
日本からアフリカに出張や駐在される方は、多くの文化的なギャップに苦しむこともあろうかと思います。金城氏が担当する第2章は、様々なビジネスの観点からそれを克服する方法等を説明します。金城氏は、発砲された経験や牢屋に入れられる経験をすることで、日本の視点にとらわれることなく、アフリカビジネスについて切り込んでおります。アフリカビジネスが如何にスリリング且つ充実しているか、そして従来型のビジネスではうまくいかないかが如実に記載されております。
当職は、今までのアフリカ人との交流及びアフリカビジネス法務の経験を活かして、トラブルを回避する方法や、少しでもストレスフリーになるスキームを模索しております。
日本のベンチャー魂がアフリカにおいて多くのチャンスを生み経済の底上げに貢献すること、また、日本にある閉塞感がアフリカを通して払拭され新しい風が吹き込むことを願ってやみません。
角田進二
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