JICA
2014/06/20
JICAニュース:オリーブパワーでチュニジアを変える-厳しい環境で生き抜く植物の力を解明-
キーワード:稼ぐための農林水産業への協力・支援, チュニジア共和国, JICA
抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含み、がんや動脈硬化などのリスクを抑えるといわれるオリーブオイル。日本ではヨーロッパ産のものが知られているが、実は今、チュニジア産のオリーブオイルが注目を集めている。というのも、チュニジア産のオリーブオイルが、ヨーロッパ産の10~20倍ものポリフェノールを含むことが明らかになったからだ。
チュニジア産オリーブの機能性を明らかにしたのは、筑波大学とチュニジアの五つの研究機関が共同で行う「乾燥地生物資源の機能解析と有効利用」のプロジェクトチーム。JICAと独立行政法人科学技術振興機構(JST)が連携して実施している研究プログラム(地球規模課題対応国際科学技術協力(Science and Technology Research Partnership for Sustainable Development: SATREPS)プログラム)の一つだ。そのチュニジア側の研究機関の責任者らが、5月26日~29日に、JICAの招きで来日した。プロジェクトでチュニジアから筑波大学の博士課程に留学している研究者たちの学位論文審査会に出席するとともに、香川県小豆島のオリーブ産業を視察するためだ。
5月29日は共同研究をしている筑波大学北アフリカ研究センターの礒田博子専門家らも同行し、日本有数のオリーブ産地である小豆島を訪れた。チュニジアのオリーブオイルの輸出量は世界第4位を誇るが、その多くがヨーロッパに輸出され、ほかのオリーブオイルとミックスされて「イタリア産」「スペイン産」として世界へ輸出されている。チュニジア産オリーブオイルをブランド化し販路を拡大するためには、ポリフェノールを多く含む機能性をうたうとともに、加工やパッケージングなどによる付加価値を高める必要がある。小豆島を訪れたのは、工場を視察するとともに、そうした商品化のノウハウを学ぶことが目的だ。
(中略)
今回の視察では、小豆島のオリーブ産業の関係者も、ポリフェノールを豊富に含むチュニジア産オリーブオイルに高い関心を寄せていた。日本の加工・パッケージ技術とのコラボが実現すれば、チュニジア産のオリーブオイルの付加価値も高まる。近い将来、チュニジア産のオリーブオイルが、日本のスーパーに並ぶ日がやってくるかもしれない。
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